アブストラクト
ラトヴィア語における《 X ka Y 》成句は直喩形式として意味的な機能を果たす。 《 X 》の成分が言表されるされないに拘わらず、《 ka Y 》の部分は自律性の高い直喩的成句構造として、 独自の成句義を発揮する。成句が有している意味内容は、 直喩の素材語《 Y 》の概念との著しい相関性(類比性)に基づくと考えられる。 本稿では《加工品名詞》が《 Y 》の成分として組み込まれた成句例を考察の対象とし、 《加工品名詞》の典型属性の観察に基づいて、直喩的な意味転用の方向性とその動機の提示を試みる。
(Libra vol.2, pp.43-66, 2000)